
黒井
@961373
2026年8月24日
氷点(上)
三浦綾子
読み終わった
上巻を読了。
夫婦できちんとコミュニケーションをとっていれば、という典型的な話が、ひどくリアルに描かれている。
私が男だからなのか夏枝のことはあまり理解できなかった。外面の良さでするすると生きてきたのだろう、と思う。それで「見た目の美しいことが全てだ」というような考えになっていったのだろう。
といって、夫の啓造についても、とても理解できるとは言えない。厳格であり、生真面目であり、弱くもある。聞けばよいことを聞けず、それにより土壺にはまっていく。
可哀想なのは息子であり娘だ。でもそれは常にそうだよな、とも思う。親も不完全で未熟なひとりの人間なのだ。その親のもとに生まれれば、育てられれば、つらい目にも遭う。ましてやそれが両親のすれ違いやいっときの悪意から生じるのだから、子供からすればたまったものではない。かといって、歳をとれば分かるが、仕方ないところもある。人は死ぬまで不完全だし未熟なのだ。