流々 "侍女の物語" 2026年8月23日

流々
@kread
2026年8月23日
侍女の物語
侍女の物語
マーガレット・アトウッド
「語りたくない」部分を想像してしまう。ちょっとここの先は読みたくないな、と思ってしまうくらいの悲惨な世界。 過去を行きつ戻りつする中で、社会構造や語り手の通ってきた人生が少しずつ見えてくる。巻末の考察に至って、ようやく全体像をぼんやりと把握できる。面白い設定の組み立て方。 語られているのは、体制が始まったばかりの初期の頃のよう。暗黒時代の幕開け、まだまだ悪夢は序の口という事だろうか。現実の出来事に似通うものをあちこちで感じる。 始まったばかりだからか、規則も行動も表面的でちぐはぐとした遊びの延長のような、粘土で作り上げた建物のような幼稚さが漂う。はたから見るとうっすら滑稽さもあるが、入り込むと暑く重い空気と衣装、常軌を逸する人間の格付けや決まり事、処刑も相まって息苦しい。誰も心から信用できない世界で、わずかな権力を手に入れた小さな歯車達がそれぞれ暴走しだすような、不気味さを感じる。人間の生み出す過去・未来においてあり得無くはないと考えさせられた。続編では、更に突き進んだ世界が描かれるのだろうか。。なかなかヘビーな読後感、続きは時間をおいてからにしよう。
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