
lona
@lona
2026年8月25日
西の魔女が死んだ
梨木香歩
読み終わった
『西の魔女が死んだ』を読んで、印象に残ったのは、まいがおばあちゃんと暮らす中で行う「魔女修行」だった。
学校になじめなくなったまいは、おばあちゃんのもとで暮らしながら、自分のことを少しずつ見つめていく。その中で、おばあちゃんが教えるのは特別な魔法ではなく、生活の中で自分の気持ちを扱うことだったように思う。
特に印象に残ったのは、まいがゲンジさんのことで感情的になったときのおばあちゃんの態度だ。まいの感情をそのまま受け止めながらも、一緒になって感情的になることはない。少し距離を置きながら、まい自身が自分の気持ちを整理できるように話していく。
普段の何気ない会話でも、おばあちゃんはにやりとしながら、つかみどころのない返しをすることがある。でも、適当に返しているわけではなく、ちゃんと話の芯を捉えている。この感じは、単に頭がいいとか、冷静だとかいうだけではできない。人間的にできた人だからこそできるコミュニケーションなのだと思った。
もう一つ印象に残ったのが、まいの父親の「死んだらそこで終わり」という考え方に対して、おばあちゃんが話す死生観だ。魂と体があり、今生で体が死んでも魂は続いていき、また別の肉体に宿るという考え方。まいが感じていた死への恐怖に対して、おばあちゃんは別の見方を示す。それが最後の場面にもつながっていて、物語全体を通して静かに効いていた。
この本を読んで、自分もおばあちゃんのようになりたいと思った。
自分自身に振り回されることが多いからだ。何かが起きたときに感情に引っ張られたり、その場の気持ちに左右されたりする。生活の中では大小いろいろなことが起こるけれど、そこでいちいち動揺せず、相手との距離も取りながら、必要なことをちゃんと見られる人になりたい。
そう考えると、「魔女修行」というのは、何か特別な能力を身につけることではなく、自分自身を扱えるようになるための修行なのかもしれない。
自分もまだまだ修行が必要だな、と思わせてくれる本だった。