
doji
@doji_asgp
2026年8月24日
こころは遺伝する
ロバート・プロミン,
田中文
読み終わった
著者はかなり慎重にことばを選びながら、遺伝は運命ではなく傾向であり、あくまで可能性の話であるとしている。それでも、これまで語られていたよりもはるかに後天的な影響というものは少なくて、人間は年齢を重ねれば重ねるほど遺伝的な影響からは逃れられないことがほとんどだと、なかば断定もしている。そして、できればそれをポジティブに捉え、子育てや人生の道筋を考えることに役立ててほしいと。
著者は自らを楽観的であるとした上で、太りやすい体質についても包み隠さず書いているけれど、やっぱりここで明らかにしてしまった事実を受け入れたくない人は多いだろうなと思う。そう、わりと明確に「事実」だとされてしまっている遺伝の影響が、たとえば本人がもっとも憂いているものであり、生きづらさに直結してしまっていて、なかなか抜け出せない類のものだとしたら、だったら援助を受ければいい、だけではなかなかのみ込めないだろうなとも思う。もちろん、がんなどの命に関わる遺伝的な疾患もあるのだけれど、20世紀の心理学を通じて、人類は後天性によるポジティブなナラティブを構築してきたことに、逆説的に気付かされる本だと思った。


