kotti
@kotti_witchii
2026年8月25日
今日未明
辻堂ゆめ
読み終わった
各章の冒頭には、5〜6行の事件概要がある。【高齢者】と【交通事故】、【母親の交際相手】と【幼児の死】、【高齢夫婦】と【熱中症死】。
たった数行で伝えようとすれば、一人ひとりの人間や出来事が、こうしたいくつかのワードに抽象化されてしまう。そして、それを受け取る私たちは、方程式のように、抽象化されたワードから、すでに知っている「社会問題」を導き出してしまう。
「また認知症かな」
「虐待じゃない?」
「老老介護っぽいね」
それぞれに違う人間がいて、違う背景があったはずなのに、「また同じような事件だ」と思ってしまう。
この本を読んで、状況やワード、被害者と加害者のプロフィールから、書かれてすらいない人物像や動機を、自分がいかに先入観や偏見で補っていたのかがわかった。
どんな動機や背景があったにせよ、犯罪は犯罪だろう。そう思うこともある。ただ、目の前にある数行だけが、事実のすべてではない。
これまでニュースで見てきた事件の裏側に、本当はどんな事実があったのか。私はそれを知ることはできないし、これからも知ることはできない。
だからこそ、「自分がまだ知らない事実がある」と知っておくこと。それがきっと、大事なのだと思う。