DN/HP "砂の粒/孤独な場所で 金井美..." 2026年8月26日

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2026年8月26日
砂の粒/孤独な場所で 金井美恵子自選短篇集 (講談社文芸文庫)
「私は近頃では、毎日寝る前に彼女の日記を読みかえす習慣だ。その日の日付のページを開いて、彼女が何を書いているのか読みかえす。薄い浸透膜を通して、彼女の記憶と私の記憶の溶液がまじりあう。今では、私はほとんどN子そのものだと言ってもいい。(一月二十三日)」 金井美恵子さんの自選短編集の最初に収められている「日記」という一編。以前関係のあった亡くなった女性の十年日記を読む男の日記、という形式で語られる記憶、思い出すこと、書き残すことそして読むこと、その不確かさについて。あるいは「男」の傲慢で未練がましい煮え切らなさについて、も書かれている気がしないでもない。少なくともわたしは自分の過去を省みて少し肩を落としている。
砂の粒/孤独な場所で 金井美恵子自選短篇集 (講談社文芸文庫)
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