松本真波 "ちくま日本文学(037)" 2025年4月4日

松本真波
松本真波
@_mm177177
2025年4月4日
ちくま日本文学(037)
『渾沌未分』読了。 ジブリかな?というぐらい、様々な水に関する描写が美しく、また耽美な空気をはらんでいる。映像として見えてくる世界がとにかく美しい。 しかし、時代に置いて行かれてもなお、未練がましく過去(都会)を求める父に振り回される主人公の娘が不憫でならない。その自分の心を押し殺して生きる様は、どこか一葉の作品を連想させた。 彼女の、一生懸命に"水の中"の心持ちでいようとする健気な姿が読んでいて辛い。自分では生活をどうする事もできない、そんな彼女の心に湧き上がる言葉、「渾沌未分」。 彼女は水の世界へと導かれていった。
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