
りら
@AnneLilas
2026年8月26日
童の神
今村翔吾
読み終わった
聴き終わった
平安時代
群像劇
日本史
@ 自宅
これで読むのは4作目となる今村翔吾作品。
第160回(2018年下半期)直木賞・第10回山田風太郎賞候補作。
酒呑童子については長いこと名前しか知らずにいて、平安時代を扱った新書を何冊か読むと必ず言及があって気になっていたので聴いてみた。
以前から一条天皇の御代の天皇家や藤原家の家系図を辿っていると、道長の2人目の妻明子の父として源高明(醍醐天皇の皇子)に必ず目が留まった。同じ源氏でも倫子と比べて明子が不遇だった理由として安和の変に行き着くので、序盤に源高明が登場して安和の変であろう事態が出来したのにややと興奮したのも束の間、そこの場面はいわば話の導入にあたり、あっさり終わってしまった。安倍晴明の登場場面もささやかなので、名前のインパクトからすると呆気なかったような。
この作品の酒呑童子は袴垂=藤原保輔の弟子筋に当たるという設定。
ちょうど平将門の首塚で愚行を働いた不届者の件で話題になったタイミングだったので、将門の娘として知られる滝夜叉姫が作中にがっつり登場したのは嬉しかった。
酒呑童子側の視点と対置されるのは、鬼たちを駆逐する立場の源頼光の四天王たちで、渡辺綱と坂田金時はキャラが立ってたけど、個人的には碓井と卜部は印象が薄いままだった。
鬼だの土蜘蛛だのと虐げられた背景にはやはり彼らが大陸からの移民で、容貌への差別であったことがはっきり描かれていて、異人がやがて鬼といったものとして表象されて恐れられていく所以はわかった気がする。
オーディブル1.8倍速。
