和月 "BUTTER" 2026年8月26日

和月
和月
@wanotsuki
2026年8月26日
BUTTER
BUTTER
柚木麻子
読み終わった!タイトルの通り、バターみたいにずっしりとした質感の作品だった。 どこに行き着くのか分からない、カジマナと里佳の攻防に目が離せなくなる。 くらくらするような酩酊感を伴う食の描写が魅力的。甘美なのに少し鳥肌が立つような恐ろしさも併せ持つ。里佳がカジマナの言動に段々と翻弄されていく様をハラハラしながら読み進めた。 カジマナは、女王然とした顔を見せたかと思えば、どこにでもいる平凡な女性の姿にもなり、得体が知れない。最後の最後まで「理解」という言葉とは程遠い人物像だった。 その部分だけに焦点を当てると読んでいて苦しいのだが、カジマナに取材を続けるなかで変容していく里佳の姿が、読んでいて面白い。 刺激的で、背徳的な存在と出会うことで自罰的な心身を抱えていた里佳は変わっていく。 ただ、その変化には彼女独自の色があり、単にカジマナに染まっていく訳では無い所が好ましい。 玲子や篠井、北村や誠など、他の登場人物も皆個性豊かな人物ばかりで、それも含めてとてもハイカロリーな作品だった。 豪華で工程の多い料理は難しそうだけど、まずはエシレのバターでバター醤油ごはんを食べてみたい!
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