LUCiA "舟を編む" 2026年8月26日

LUCiA
LUCiA
@gogo
2026年8月26日
舟を編む
舟を編む
三浦しをん
最近ミステリーばかり読んでたからちゃんと楽しめるかな、とやや不安と共に読み始めたが、素晴らしい装丁通りに面白かった。そして、これもっと長編にしたら良いのに、がいちばんの感想。 辞書の制作ってこんなに時間がかかるんやね。数日で命の終わる印刷物を作る仕事をしている身としては、羨ましいような、恐ろしいような。全てを印刷に回した後の恐怖と言ったら半端ないんだろうなぁ。 何かの読書系のYouTubeでこの本を取り上げていて、【恋愛】は異性に対するものだけなのか、と言う本の中でのやり取りは、全ての辞書に影響を与えた、と言うようなことを言っていた。そんな感じで、本書ではいろんな語に関して細かく検討するようなシーンが時々差し挟まれる。辞書作りの物語ならではの場面だ。楽しい。 それにしてもこの本には、良い人しかでてこない。辞書編集室と言う割と地味めの職場に最初は違和感を覚えていた人物も馴染んで行くし、逆に辞書部から異動させられた人も悔しいながらも外から辞書作りを支えようと前向きな気持ちになる。そんな良い人ばかり。 そうか、ここに推理小説ばかり読んでる弊害が出てるんだな。何せ犯罪者が必ずどこかに居る、誰も信用できないような本ばかり読んでると、たまにこんな「まじめ」な、良い人ばかりの小説を読むとお尻がこそばゆくなるんだなぁ。そんな自分に気がついた本でもありました。
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