
komako
@koma_blue
2026年8月29日
イン・ザ・メガチャーチ
朝井リョウ
読み終わった
ネタバレあり
年齢も性別も違う3人の視点で書かれたお話
朝井さんの作品を読むのは正欲に続いて2冊目ですが、どうしてこんなに人間の解像度が高いというか、思考の細かい部分や日常の動作を性別関係なく自然に描けるのが本当にすごい、同時にこういった観察眼を持つ方が近くにいたら見透かされそうで怖いような気もします
特に澄香ちゃんの気にしているようなことを詳細に書いているのがすごいと思う、容姿に対することや診断、◯◯◯◯顔とか、そういった知らない方は知らないだろうなと思うワードがしっかり出てくるのがまた…
そこに限らず作品全体がものすごい情報量で驚きます
飲んでいる水(水道水とあえて書かれているのが珍しいなと感じたけれど水にだって種類はあるんだよねと思いました)、味噌汁について書かれているのがそれぞれの生活を現しているようで印象的でした
・自分の仕事が身近な人を熱中させ巻き込んでいて、仕事としては良い結果だけれど皮肉な話だなと感じる、2人ともそれについて話せたら、もう少し仲良くなれたのではないか…と考えてしまう、でももしかしたらこれから今よりも少しだけお互いのことを話せたりする未来があるんじゃないかと夢見てしまいます
・同じ俳優を推す女性2人の関係が気の置けない友達同士のようで良かったのですが、お話の途中から別の危険性が増した気がして彼女たちの章を読んでいる最中どきどきしてしまった
・ユリちゃんがさっぱりとしていて好きだったので、澄香ちゃんがあの時アクスタをいいなとか欲しいなとか、ちゃんと伝えていさえすれば、仲が悪くなることもなかったんじゃ…と
あの瞬間、それほどの輝きがあったんだと思いますがせめてせめて盗るのはやめて欲しかった…
・友達ができた久保田さんのことを良かった、と思う一方で、これももしかして魅了された結果?とも感じていたのですが、その結果が明かされたとき、やはりという気持ちと、でも相手側の気持ちも分かるし、久保田さんの立場を考えてもまずいこと、けれど久保田さんのあの時の熱い気持ちに同調して頑張れと応援している自分がいたこともあり、複雑な気持ちになりました
・それぞれの立場からの視点で繋がっていく、このお話はどうなっていくんだろう、ととにかくハラハラし通しでした
・自分も含めて多くの人にどこかしら当てはまる部分、共感できる気持ちがあるんじゃないかと思うし、どのエピソードも決して他人事ではないと思う、唯一この人のようになれないだろうな…と思わせる登場人物・国見さんの言葉が、ずっと突き刺さる
・隅川さんの章で、新しい恥、という言葉が出てくるのですが、本当は気にしなくても生きていく上では必要ないことを気にし続ける…例えば容姿の面でそれをしていないことが恥ずかしいと思う、でもこの気持ちは誰に作られたものなんだろう?そうしないと売れないものがあり、困る人がいるから?などと、伊坂さんの777にも少し書かれていましたが、そういったことを時々考えてしまうので、そこも刺さりました
それでもその新しい視点でジャッジされる新しい恥を気にし続ける自分がいて、きっとそれを辞められない
そしてもしこれから新しい何かに熱中したとしても2人のすみちゃんのようにはなれないのだろうなと思う
もう一度読み返してみたいと思います

