
無限の上機嫌!
@joukigen
2025年4月3日

緩やかさ
ミラン・クンデラ,
西永良成
読んでる
あまりにおもしろい!
〝「あなたはよく、いつか、真面目な言葉が一つとしてないような小説を書きたいと言っていたわね。『きみを喜ばせるための大いなる愚行』とかなんとかといった。そのときがやって来たんじゃないかって、わたし心配なの。だけど、ひとつだけ言っておくわ。気をつけなさいよ、って」
私はさらに深くうなずく。
「あなた、お母さんがよく言っていたことを覚えている? わたしにはまるで昨日のことのようにきこえるわ。ミランク、悪ふざけをするのはおやめ。だれもおまえのことなんか理解してくれないんだよ。おまえはみんなを傷つけ、そしてみんながおまえを憎むようになるんだよ。あなた覚えている?〟
〝チェコの学者は狼狽した。わずか二分たらずまえに同輩たちが表明してくれた尊敬は、いったいどこに行ってしまったのか? どうして彼らは笑えるのか、失礼もかえりみずに笑えるのか? ひとはそんなにも簡単に、讃美から軽蔑に移ることができるのか? (もちろんだとも、わが友よ、もちろんだとも)それでは、共感はそんなにも脆く、頼りないものなのか?(もちろんだとも、わが友よ、もちろんだとも)〟
〝もしだれかが、わたしの過去を否定したいというなら、ここにわたしの筋肉が、文句のつけられない証拠としてあるのだ!〟
〝前へ進め、無限の尻の穴のなかに!〟