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@nininice
2026年8月27日
あなたの人生の物語
テッド・チャン,
浅倉久志
読んでる
「あなたの人生の物語」
フェルマーの最小時間の原理の話が深まってゆくのがとても面白かった。〈光線は動きはじめる方向を選べるようになる前に、最終的に到達する地点を知っていなくてはならない〉
何故ヘプタポッドたちは地球に来たのだろう?それらの「最終的に到達する地点」は、一体どこにあるのだろう??地球で対面した主人公の認識様式に(完全ではない)変化を与えたことは、きっとそれらの到達点ではないのだと思う。彼女の未来認識はとてもとても個人的なことのみで、それが地球や宇宙やヘプタポッドの未来に関係があるとは思えない。もしかしたら、この物語には登場しないどこか別の国や場所でそれらの対応にあたっていた人物が実はヘプタポッドの動機と目的であって、主人公は副産物にすぎないのかな??
「バビロンの塔」
丁度、別の本でバビロンやかつての煉瓦工場や煉瓦作りについて詳しく読んだあとだったので、物語の描写を色鮮やかに想像しながら読み進めることができた。
この塔の頂きには深遠な聖所が設けられ、見事な金箔の大寝台が横たわり、傍らに黄金の玉座が置かれていた。神像はなかった。ただ森閑としていた。毎夜、この聖塔に一人の乙女が登っていった。神に選ばれたこの女性だけがここで夜を過すのである。見下ろすとバビロンの町は薄明のなかにある。ユーフラテスが星の影を映し、砂漠を渡る風がすぐ下のエサギラに渦を巻く。月は落ち、星は移る。と、主神マルドゥクはひそかにこの聖所を訪れて大寝台に憩い、愛し婦人と一夜を共にするのだ。 『文明の旅』森本哲郎
このようなバベルの塔の頂についての伝説を読んでいたので、この物語の頂上にもきっとそれはそれは美しい結末があるに違いないと楽しみにしながら、わたしも鉱夫ヒラルムらと共に一ページずつ塔を登っていった。一番印象的だったのは、日没の場面。夜の正体を知るところ。このような描写が大好きだ。暫くうっとりとしていた。いつまでもこの塔を登っていたいと感じられるほどその過程が面白かった。
