あなたの人生の物語

57件の記録
- DN/HP@DN_HP2025年10月8日テッド・チャンの短編集からお気に入りの短編「地獄とは神の不在なり」を久しぶりに読み直した。 天使が降臨し天国と地獄が顕現する世界に生きる「男がいかにして神を愛するようになったかを描く物語」。 災害とともに恩寵も同時に起こす天使の降臨や、その際に現れる、浴びると誰もが天国に行ける「天国の光」を追いかける「ライト・シーカー」の“ビジュアル”面に主に惹かれていた気がするけれど、天使の降臨に愛する人を殺され、天国に上っていった彼女にもう一度会うためには神を愛さなければならない男の苦悩、そして神を愛する(ことも神が与えたものだ)ようになった後にすべて(神の存在すらも)を奪われる男の物語は、改めて残酷で凄まじいと感じた。 巻末の「作品覚え書き」にもあったけれど、ヨブ記の結末が、美徳は完全に報われず、この物語のようにすべてを奪われたままの状態で終わるとしたら、それでも信仰を保ち神を愛し続けることは可能なのか。それが可能というか受け入れるのが信仰なのだ、と言われれば、なるほど、そうですか、としか言いようがないけれど、もしわたしがそんな場面、物語に立ち会ってしまったとしたらきっと、こんな堕天使の言葉に積極的に耳を傾けるだろう。 「堕天使が現れる際に、人は質問を投げかけることがよくあった——あなたたちは神の御意志をご存知なのか?なぜ反抗したのか?堕天使たちの回答はいつもおなじだった——『みずから決めるがいい。それがわれわれのおこなっていることだ。おまえたちもおなじようにするがいい』」 Word。わたしは自由意志や偶然を信じたいのだ、などとおまんじゅうを食べながら考えている。
- DN/HP@DN_HP2025年10月8日「堕天使の降臨はまれで、幸運も悪運ももたらさなかった。堕天使たちは神の指示の下で行動しているのではなく、想像もおよばぬ仕事に出かける際に、たんに人間界を通過するだけだった。堕天使が現れる際に、人は質問を投げかけることがよくあった——あなたたちは神の御意識をご存知なのか?なぜ反抗したのか?堕天使たちの回答はいつもおなじだった——「みずから決めるがいい。それがわれわれのおこなっていることだ。おまえたちもおなじようにするがいい」 「地獄とは神の不在なり」
- なつの おれんじ@orangesummer7232025年9月3日読んでるそれぞれの話によって翻訳者が違うので、翻訳の文体の違いが楽しめてとても良い 内容は私には少し難しい部分があるのでゆっくり読み進めてます
- ゆけまる@yukemar_142025年8月21日読み終わったよかった。とてもよかった。特に表題作の「あなたの人生の物語」は読了後少しして段々意味がわかってきて不覚ながら涙が溢れた。ネタバレしないようにするとあんまり書けないのだけど、家族に接するときの気持ちがちょっと変わるような気がする。この先何度でも読み返すんだろうし、人生ナンバーワン小説に挙げる人も結構いるって話も頷ける。 あと、「顔の美醜について」も「72文字」もおもしろかったなぁ。よくできてるなぁと。フィクションなんだけど、ありそう。話の枠組みとしての世界観もおもしろいし、その枠組みの中を埋めるdetailの緻密さみたいなのも、完成度高い。 もっと教養がほしい。國分先生が『暇と退屈の倫理学』で言ってた勉強の効用がこういうときに身に染みる。もっと教養があったり、頭良かったりしたらこの本もっともっと楽しめるんだろうな…。結構読書負荷は高めでした。精進あるのみです。
- あるる@aru_booklog2025年8月12日読み終わった@ 本の読める店fuzkue初台やっと!読み終わりました。短編集ですが、どれも短い中にSF作品ならではの時空の広さが見られて、読み応えがあります。聖書をもとにしたお話やヴィクトリア朝を舞台にした作品もあり、でもどこまでもSFだと言い切れるのが面白いです。顔の美醜について、七十二文字、ゼロで割るが特に好きでした。表題作は、映画メッセージの原作だということに読み終わったあとに気づく...🤔 fuzkueさんで読みました📚季節によって変わる紅茶が美味しくて嬉しい。ポットサービスでたっぷり飲めるのも良い!
- あるる@aru_booklog2025年7月18日読んでる短編集とはいえど、どれも完成された世界だから満足度が高い。長編じゃなくても、SF特有のわくわくと世界が自分の理解を超えることによる不気味さが味わえて良い。息吹も読んだけど、好きな作家さんだ。このあと表題作を読むよ。
- chroju@chroju1900年1月1日かつて読んだReadsで「オールタイムベスト」のリストが目に入り、自分の場合なんだろうなと考えて真っ先に上がるのがこの1冊だな、と。他もちょっと考えてみるかな。