もちもち "緋色の研究 【新訳版】" 2026年8月27日

もちもち
もちもち
@o0o0
2026年8月27日
緋色の研究 【新訳版】
緋色の研究 【新訳版】
アーサー・コナン・ドイル,
深町眞理子
ホームズはちゃんと読んだことがなかった。 緋色の研究ってこんな色恋の果ての犯行の話だったんだな。面白かった。 ホームズといえばワトスンの視点で描かれるという思い込みがあったので、途中で視点がガラッと変わって驚いた。 それも新鮮に面白く感じた。 ドラマやアニメでふんわりとホームズを摂取していたら知らなかったことだと思う。 モルモン教徒もこの本で初めて知った。 名前は聞いたことがあったが、このような教義の集団だったとは知らなかったのだ。 それがホームズに出て来て、むしろ本の半分を占める主題のような存在だとは思いもしなかった。 そう、この本の主題はミステリーではなかった。 モルモン教徒たちの愛、傲慢、悲哀、苦しみ。 殺人事件に至るまでの「人間」の物語がそこにあった。 『緋色の研究』が描くのは難解なトリックではない。 この本に書かれているのは現代においても普遍的な「人の物語」だ。 それが今日に至るまでホームズが愛され、読み継がれ、ミステリーという分野の一ジャンルを築く所以なのかもしれない。 トリックにばかり注目した現代の推理劇あれこれを、ホームズは「何だそんな簡単なもの、大したことではない」と笑うのかもしれない。 巻末の解説が勉強になったが、本編よりも難しくて頭にはあまり入らなかった。 翻訳は古さを感じる文体だが、そのわりにとても読みやすかった。
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