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@Kaffee5888
2025年1月28日

52ヘルツのクジラたち
町田そのこ
読み終わった
「魂の番」、そんな言葉を本書以外の至って普通の恋愛小説で目にしたのであればなんてロマンチックで砂糖菓子のような言葉だろうかと思う。だが本書ではそれが否応なく首を絞めてくる。
もっと愛情の本質を知っていたら、正しく生きられていたら。正しさってなんだろう。環境なんて変えようもない。どうしようもない現実から抜け出すのなんて難しい。この話はフィクションだから綺麗に終わる。現実はもっと厳しいものが横たわっているのだろう。
52ヘルツの声で呼んでいる人が居るかもしれない。その言葉に傾けようとする人が増えることを願わずにはいられない。