
おかりな
@maron_mi_ran
2026年8月27日

愛の渇き (新潮文庫)
三島由紀夫
恥ずかしながら逆張りしていて今更三島作品を初めて読んだ。表現力があまりに卓越していて、一つ一つ豊富な語彙を用いて繊細で緻密に描写されており脱帽。作家によって文章の癖や手触りがありその好みは私にもわかるのだけど、これほどまでに文章の上手さを感じさせる作家はいないのでは。内容は浮気性の旦那に先立たれた未亡人の悦子が旦那の実家別荘で舅と愛人関係を結びながら、その家に使える青年に恋をし嫉妬に狂っていくというもの。
若き青年三郎はその若さゆえに殺されたんじゃないかと私は考察している。悦子の嫉妬は根深く一見矛盾した行動のように思われるけど孕ませた美代のことも、自分のことも愛していないその半端な態度はあまりに苦しませる。私もかなり三郎にはかなりイラつかせてもらった。悪意のない素直さは時として大きな罪になる。けど澁澤龍彦のエロティシズムで語られていたように男は自由を求めるからこそ愛してるだの愛してないだのそうした言葉の型に嵌ることは極度に抵抗がある生き物なのかもしれない。とはいえ幸せな生き方は出来ないよねとスカッと出来ました
