
トラ
@Toreads1234
2026年8月29日
旅する練習
乗代雄介
サッカー少女と小説家の叔父がコロナ直撃の3月に我孫子から鹿島まで本を返しに行く。歩いて。ジーコ、柳田國男と共に。時々、立ち止まりリフティングと文章のスケッチを、それぞれ練習する。少女・亜美は真言を唱えてから練習する。
叔父目線で語られる旅小説で、鳥や植物の描写も多い。温度がどんどん低くなっていく。終盤は結構痛いから、エンタメを期待して読むときついかも。
当たり前の話だけど、2人で旅をするお話というのは、若く瑞々しい感性と成熟した感性で、同じ物を見つめながら進むんだと、それに気づけた。序盤は子供と大人のリズムの違いみたいなものが、あまり好きに慣れなかったというかもったり感を生んでいたけど、どこからかその視線の違いみたいなものが心地よくなっていった。
「それを見ていると、私はなんだか幸福な気分になった。」(p.98)
ここで、完全に叔父と心境がリンクした。

