旅する練習

23件の記録
- 渡辺洋介@yskw05142025年5月19日読み終わった小説家である「私」と中学受験に合格したばかりの姪「亜美」(サッカー少女)のふたりによる利根川徒歩旅行のロードノベル 途中挟まれる「私」による風景描写が美しい。 自分は小説を読むときは物語を味わうというよりは風景描写に心惹かれるところがあり脳内でその風景を浮かべながら旅をしているといえばよいだろうか。 「明日は雨になるそうだが、低いところの空の狭い一帯だけちょうど雲が途切れている。大きなカーブを描いた利根川の広い水面はその下に地平線をつくり、その上にまだ暮れるというには少し早そうな太陽がある」P111 「あの人おなじようにいつまでも強い風が川面を白く波立たせ、対岸には此岸と似た低い土手と、奥には小高い森が見える。木立が途切れて空の降りたところにだけ送電線が目に映る。水面すれすれを滑りかつ翻りながら何羽も川を渡ったツバメが宙へ駆け上がる」P150 こんな風なスケッチが出来るようになりたいものだ。 そして本書には仏教的な用語も多く書かれているがひとりの人間が確かにこの世に生きていた生の痕跡でもあるのだな。
- キライちゃん@kirai-chan2025年5月14日読み終わった亜美ちゃんの持つ明るさや素直さに救われる人はどれほどいるのだろう。亜美ちゃんのお気に入りになったカワウを、ちゃんとカワウだと認識して見つけに行きたい。 のうまくさんまんだ ばざらだん せんだ まかろしやだ さはたや うんたらたかんまん!
- チャプ太郎@chapterofbooks2025年4月27日読み終わった知識があって、目の前の景色に意味が加わることの幸福。増えていくことの喜び。 亜美の未来への希望が眩しく、みどりさんの内省ですらまだ22じゃんかと微笑ましい。人は何度だって生まれ変われるよ、と言ってあげたい。 旅の起点となった我孫子駅を走る常磐線と並走するつくばエクスプレスの中でこれを読み終わったことに深い感慨を覚えながら、この物語の結末に胸をえぐられている。 「ずっと途中でもいいけど、がんばってみるよ」(p.148) 「大切なことに生きるのを合わせてみるよ、私も」(p.168)
- きりんモリモリ@tantakadance2025年4月19日読み始めた読んでる電子書籍で初めて買ってみた本。前から読みたいのが安くなってたので。 電子書籍だとご飯食べながら読めていいから、ご飯のときに読み進めている。 書くことの話をしているのかも。亜美の日記が良かった。
- 夏しい子@natusiiko2025年3月8日かつて読んだ全体的に勉強になる小説だなぁと思った。 最初は最後のところに対して 「これいるか?」と何度も呟いてしまったけれど 読み終わって落ち着いて作品を振り返ってみたら これはもしかしたら凄い文学作品かもしれない、と思い直した。 全てはそれために書かれた小説だった。