じょるじゅ。 "ドグラ・マグラ(下)" 2026年8月29日

ドグラ・マグラ(下)
勢いのまま読み進め、気づけば午前3時になろうかというところ……いやもうすごいです!己の語彙力のなさに落ち込みますが、とにかく「すごい」の一言です。 正直、何が真実なのかはわかりません。でも、ある意味「わからないのが正解」と思わされるような、“何が真実なのかはわからない”けれど、“誰かの記憶から想起されている”というか……それこそ本当に胎児の見ている夢なのか。いやいや、この本自体が著作内にも登場していた『ドグラ・マグラ』自身なのかも…?(後半の方は主人公の言葉ながら「記したくない」等も書かれていますし) いやー、「胡蝶の夢」よろしく、私自身も今が夢なのか現実なのかがわかりません。笑 昭和10年に出版されたということで、現在の感覚からすると「おっと」となる表現も多分にあるため、その点気になる方はあまり読まれない方がよいかと思います。 でも、そうでないなら是非一度この感覚は味わっておいて損はないというか……小説にこんなに引き摺り込まれたのは、本当に久方ぶりです。 探偵小説というジャンルではありますが、推理云々よりも、人間の精神というか心理というか、そういった分野に科学的かつ哲学的に切り込んでいった視点がすごい…と感嘆しきりでした。 夢と現実、過去と現在、生と死、といった二つの世界を行ったり来たり…まるで「あわひ」の物語のように感じたのですが、夢野久作が能を嗜んでいたのも関係あるのでしょうか…? ちなみに、物語の重要な鍵となる絵巻物ですが、「そういえば、九相図ってあったよなぁ」と思い出して調べてみると、現存する九相図のうち、いくつかは九州にあるのですね。 そういったところも、物語に関係しているのかも…?と思ったり。 そしてまた余談になりますが、この本を出版した年にお父様が亡くなり、その翌年にご本人も同じ原因で亡くなった…というの知り、斎藤先生と正木博士との因果関係のようで、少し驚いてしまいました。 さて、今の精神状態でちゃんと眠れるか…脳髄だけ熟睡し、私の細胞の一部が寝落ちできずに他の細胞や内臓器官を揺り動かしてしまうかも。そんな考えが過らずにはいられない作品でした。
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