
mandju
@manjukichi
2026年9月20日
夏物語
川上未映子
買った
読み終わった
感想
ネタバレあり
前半の巻子と緑子の難しさとかは、いらなかったのでは?と思いながらの時間もあったけれど、やはりあれも必要だったのだと思う。
女性が生きていく過程でそういった脆さもあるというような、一つの年表を複数人で作るような感じかなぁ、と。
緑子の様子や日記は、自分自身の思春期を思い出されたりして、物語に引き摺り込まれる。
巻子が豊胸しようとした悩みをどうやっておさめたのかは描かれておらず、気になるところ。「乳と卵」を未読なことがいけなかったか。
二人が大阪に帰る直前、巻子は緑子になんと囁いたのだろう。愛してる、なのか、二人にしか分からない言葉なのか。
二人の絆が結び直された言葉であることは間違いないのだろうけれど。気になるー。
後半はもう、夏子と逢沢さんがどうなるのか、と。
夏子いけ!逢沢さん頑張れ!諦めないで!誕生日があるからまだある!と少なくなる頁にどきどき。川上先生、お願いします!な気持ち。
善百合子の存在がこれまた、と思っていたら、最後に夏子と会うシーンがよくて。
善さんが幸せになることを祈ってしまう。彼女を心から抱きしめる人が現れますように。それは恋愛でなくてもいい。善さんの救いがありますように。
夏子と逢沢さんはもっと近づいてもいいように思ったけれど、それは子育ての中でまた変わっていくのかもしれない。逢沢さんは絶対その子を慈しむと思うから。お父さんにもらった愛情をその子に注ぐだろう。
夏子もそれに助けられていくと思う。
逢沢さんとお母さんのこととか、巻子のお店のこととか、緑子と彼氏のこととか、夏子の元カレも変になっちゃってたけど、とか、とにかくあちこちも気になるけれど(気持ち悪かったあの男だけはどうでもいい)、人々はそれぞれ色々なところに繋がっていて、亡くなった仙川さんも夏子に遊佐を繋げてくれた人で(仙川さんはちょっと夏子を恋愛的に好きだったのかな?うがちすぎかしら?)。
そうやって人間は生きていくのだな、と。
ままならないことを生まれた子も感じていくのだろうな。
丸々一冊が人生だった。
面白かった。