
読書日和
@miou-books
2026年8月29日

誓いの証言
柚月裕子
読み終わった
東京・中野で弁護士事務所を構える佐方貞人のもとに、警察から電話が入る。逮捕された男が佐方を弁護人に指名したという。男は大学時代の同期・久保利典。無実を主張する彼を信じて調べ始めるうちに、20年前に香川で起きた、ある石職人の死亡事故へとたどり着く――。
現在の事件を追いながら、少しずつ20年前の出来事が明らかになっていく。背景や人間関係、動機が徐々につながっていくので、続きが気になって読み進めてしまった。
壮絶な物語ではあるのだけれど、個人的には、7歳の子どもがここまで昔の出来事を記憶し、その後も調べつくしていくものなのかなぁというところには、ちょっと引っかかりも。
一方で、地方の狭いコミュニティの中での人間関係や勢力図が、仕事や人生にまで影響してしまう怖さはリアルに感じた。
そして読み終わって、なんとも素直には「面白かった!」と言い切れない気持ちも残ったのだけれど、同じ事件でも、誰が弁護するかによって、見えるものも、その後の展開も、こんなに変わるのかもしれないと思うと、弁護士という仕事についても少し考えさせられた。
