
サヤ
@sayaemon
2026年8月31日
ピアノを尋ねて
クオ・チャンシェン,
倉本知明
読み終わった
シューベルト、リヒテル、ラフマニノフと、好きな名前ばかり並んだ帯に惹かれて購入
傷付いた調律師と老実業家の漂泊の日々と、夢破れた過去への追想との合間に、名音楽家達のシルエットが白昼夢のように挟まれる
主人公の調律師は、ピアニストとしての才を活かせなかったことへの悔いとコンプレックスに苛まれている
環境が成功を許さなかったという面は勿論あるけれど、自分の特異な音感の良さについて何度も主張するわりに、自ら打って出る、表現に向かう姿勢がいまいち見えない
ただ師事した相手への幻滅や嫉妬(からのピアノを傷つけるまでの攻撃性まで発揮)を語り続けるのが、なんというか、良い意味でも悪い意味でもリアルだった
偉大な音楽家の物語に己を重ねて幾ばくかの慰めを得ても、現実の自分に対する幻滅が彼を憂鬱にする そりゃそうだ、という感想
老実業家との関係がそこに変化をもたらしたかどうかは…再読しないと読み取れなかったかも