
りんどう
@rindo-034
2026年8月28日
竜の医師団1
庵野ゆき
読み終わった
読了。
上橋菜穂子さんの「鹿の王」があまりにも面白かったため、「ファンタジー」「医療」という二つの要素が入った本書を手に取りました。
竜によって気象が生じる、竜が創りし世界。その爪は大地を耕し、身を震わせれば恵みの雨が降り注ぐ。竜あるところに豊穣あり。人々は竜の恩恵を受けて生きていた。
しかし、病んだ竜は世界に災害をもたらす。地震、噴火、竜巻、洪水……大規模な災害は、国に壊滅的な被害をもたらすこともあった。
そんな竜の病を治療し、禍を退ける者たちこそが、「竜ノ医師団」だった。
迫害を受けていたヤポネ人の少年リョウは、治外法権である「竜ノ医師団」を目指していた。医師団の元でなら、ヤポネ人であろうとも働き、生きていくことができるのだ。
リョウは医師団へ向かう船の発着場を目指す道中で、船に潜入する機会を伺う少年レオニートと出会う。彼もまた、医師団への入団を目指しているらしい。上流階級の中でも特殊な家に生まれた彼は、正規の方法では医師団へ入団することができないのだ。
2人は協力して船に潜り込み、「竜ノ医師団」を目指すことになるが……?
あらすじだけ見ると、随分と重ための話なのかなと思いましたが、実際は軽快な語り口の一人称視点で、コミカルなシーンも多くある作品でした。登場人物も一癖二癖ある人物ばかりで、リョウの脳内ツッコミが止まることを知りません。
それでいて、引き締まった雰囲気のシーンもあり、シリアスなシーンや感動的なシーンとのギャップが良い、飽きさせない小説だなと感じました。
ラノベほどライトな文体ではないですが、堅苦しすぎず、難しすぎないため、サクサクと読み進められます。
世界観も作り込まれており、気象を生み出すほどの巨躯を持った「竜」の治療を行うなら、なるほど確かにそうなりそうだ、という納得感があります。
作中で語られる歴史も実に面白く、この世界の歴史書を読んでみたいと思うほどです。設定資料集が欲しい。
一巻の最後で衝撃的な「引き」があり、続きが気になって仕方がないため、すぐさま二巻に突入しようと思います。
お気に入りポイント
・ゲップ一つで消し炭になりそうになったシーンなど、事の重大さと竜の行動原理のギャップの大きさなんかが最高。
・リョウ、レオニートのテンポ良い掛け合い。
・登場人物が全員かっこいい。看護主任が特に好き。
・リョウのツッコミに「それな」となりがち。
