"キッチン" 2024年6月20日

蟹
@kanibook-9
2024年6月20日
キッチン
キッチン
吉本ばなな
二人暮らしを始めたタイミングで読んだため、相方が死んだら自分がどういう感情になるだろうかと想像をしてみたが普段死と身近でないので、現実味がなく想像し難かった。むしろキッチンで追体験できたことで、同じ経験をしたときに心の道筋を立てられるような気がする。 一周目を読んだ時ははみかげに身寄りがいなくなって、その状態を俯瞰して冷静に見れているように見えて驚いたが、二周目で喉になにかがつっかえているような描写の仕方でみかげの孤独と不安が溢れていることを表しているんだと気づいた。 あと、エレベーターのシーンがとても印象的だった。真空という言い方で他に何も入り込む余地がないことを表していて、みかげが薄々感じてはいた気持ちが言葉になって頭に出てきていた。恋愛、家族愛、友人愛とはあえて書き分けずに愛情を認知したその姿に自分も胸が熱くなったし、愛情とはとても尊いものだと改めて感じられた。
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