
六花
@rikka-momohana
2026年9月1日

新古事記
村田喜代子
読み終わった
「知らなかった。夫が原爆をつくっていたこと」。日系三世の「あたし」は知らなかった。「キリストが血を流したような山」の見える、烈しい太陽に灼かれていたY地。研究の進行に歓喜し、実験の成功に慄く研究者たち。世界は変わってしまった。だから、「新古事記」だ。戦争で多くの人が殺され、信仰心もない男たちが原爆を生み出そうとする一方で、研究者の妻たちも犬も妊娠しベビーラッシュというグロテスクさ。「新しい世界は神じゃなくて人の子がつくる」。もう何も知らない女、妻ではない、あたしたち。