夏至
@pixied8
2026年8月31日
その人殺しは全然ムダで損だらけの手間にすぎない 戦争×ミステリーアンソロジー
『このミステリーがすごい!』編集部,
『このミステリーがすごい!』編集部
読み終わった
これは8月に読まねばならないと思って、ギリギリ8月に読み終わって良かった。毎年夏になると昭和戦後を摂取したくなるんだけど、今年は8月はずっと昭和だった。今作はリアルに戦争を経験してる世代の作家のミステリ。特に小松左京の「招集令状」が怖かったな。戦争が嫌だった人が大勢いた一方で戦争を美化して捉える人が戦前はもちろん戦後もそれなりにいたという恐怖。もちろんそう捉えないと自分の正気を保てない人がいたとも思う。
アンソロジーのタイトルが分かりづらくて良くないなと思ったけど、こちらは安吾のエッセイから持ってこられたものだった。全くもって令和に読んでも色褪せない反戦論。ただ、もし侵略されたら、多少の女も男も被害にはあうだろうが、戦争よりはマシの理論って令和においては余計に通じない気はする。
人に無理強いされたとしたって戦争しませんは世界一の憲法。軍備よりも美しい芸術を創ったり、うまいものを食べたり、便利な生活を考案したりして生活を味わうこと。戦争するよりもずっと豊かでいられる。こちらから仕掛けない、仕掛けられても応じない、侵略されても降参する。一時的な不具合はあるにしても結局は戦争しないことが豊かな生活を維持する方法なのだ。
