
音叉
@on_sa
2026年9月1日

読み終わった
全6篇が収録された短編集。
どれもはっきりオチがなく曖昧さを残して終わってしまうのだが、それがまた読者を惹きつける。
物語中のところどころに入る著者の解説と、どう考えても江戸時代とかそこらの話なのに、唐突にカタカナ言葉が飛び出してきたりする点には独特なユーモアを感じる。個人的にお気に入りは『ぼろんじ』と『夢ちがえ』。『ぼろんじ』では肉体と影、男と女、その境目が曖昧になり、最後には2つの存在がぴったりと重なるという流れに惚れ惚れとした。『夢ちがえ』は残酷で妖しく、単純に好み。耳の聞こえない姫の名前が『万奈子姫(まなこひめ)』=眼(まなこ)なのも良い。