彼らは読みつづけた "憧れの作家は人間じゃありませ..." 2026年9月1日

憧れの作家は人間じゃありませんでした
*本の中の読書* 《当時あさひは、その本を読みながら何度も泣いた。何度も読み返し、言葉の美しさを嚙みしめ、綴られた切ない想いを胸に抱きしめた。誰彼かまわずいかにこの本が素晴らしいかを触れ回りたくなったし、大好きなシーンを思い出してはそれに浸った。 そんなあさひの様子を、友人達は「まるで恋でもしてるみたい」と評した。 確かにあれは、恋にとても似ていたかもしれない。 あの本のことを考えただけで、胸の奥底からわーっと何かが溢れてくる感じがする。切なくて涙が出そうになるけれど、同時にじんわりと心が温かくなる。もともと本を読むのは好きな方だったが、そんな風になったのは初めてだった。 本に恋をするということがありえるなら──あれが、あさひの初恋だ。》 — 澤村御影著『憧れの作家は人間じゃありませんでした』(平成29年4月Kindle版、角川文庫)
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