藤間あわい "新しい恋愛" 2026年9月2日

新しい恋愛
新しい恋愛
高瀬隼子
『新しい恋愛』というタイトルに斬新な発想の恋愛が詰め込まれた小説なのかなと思っていたのだが、どちらかというと「人間は昔から皆同じような恋愛を辿っているのだな」という感想を抱いた。大人だからと言って「ちゃんと」しているわけではなくて不倫も浮気も案外そこら辺に転がっている。そこのリアルさが好きだった。 特に印象に残ったのは「お返し」の、「ただ、自分のことを好きだって言っただけの人のこと、はっきり記憶し続けているなんてすごいじゃんね。わたしだったらホワイトデーにどんな豪華なお返しをもらうのより、そっちがいい。ずっとわたしのことを覚えていてくれるっていう、お返し」という台詞と、最後の「いくつも数える」という短編だ。特に「いくつも数える」は物語の終わり方が秀逸で、読み終えてタイトルを眺めた時に湧き上がってくるえもいわれぬ感情に打ちのめされたので是非読んでみてほしい。
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