
滋味
@jimicked
2026年9月2日

斜め屋敷の犯罪 改訂完全版
島田荘司
読み終わった
『占星術殺人事件』に続いて読みました。
序盤は登場人物や舞台となる「流氷館」についての細かな説明が続き、正直なところ少し読み進めるのに苦労しました。特に館の構造はかなり複雑で、「これを全部把握しながら読まないといけないのだろうか」と不安になったほどです。
しかし、読み終えてみると印象は大きく変わりました。
これまで読んできたミステリでは経験したことのないほど大胆な仕掛けで、その全貌が明らかになったときには圧倒されました。「そこまでやるのか」と思わず笑ってしまうほどのスケールですが、それを真正面から本格ミステリとして成立させようとする作者の発想と執念には驚かされます。
御手洗潔の登場を楽しみに読み始めたこともあり、なかなか姿を現さないことには少々焦らされました。それだけに、登場してからの展開は痛快でした。
細かな説明が多いため、途中では自分には少し合わない作品かもしれないとも思いましたが、最後まで読んだことでその評価も変わりました。
序盤の細部をすべて理解しようとせず、まずは物語を追っていっても十分楽しめると思います。これほど大掛かりな仕掛けのミステリを読んだのは初めてで、まさに「圧巻」という言葉が似合う一冊でした。