
加非
@chioneko
2025年4月5日

安全に狂う方法
赤坂真理
読み終わった
兎角、この時代は生きづらい。
世の中には時代に適応し、この陽の光を一身に浴び、この世の中を自由に泳ぐ人々ももしれない。
けれど、泳げるフリをした結果、気が付けば光も届かぬ、誰にも気付かれない深海に到達する者もいる。けれど、水圧で血管は今にも内側から破裂してしまいそうだ。
そんな時、閃く。自らの身体を傷つけ血を流せば、この苦しみから一時的にでも逃れることが出来るのでは、と。
アディクションに対して、私は本書を通して、このような世界を空想した。
アディクションは、緩やかな死を通して、今を生き延びること。受け入れざるものを回避するために、消極的にもう片方を選ばざるを得ないこと。
決して望んだわけでない。けれど、それしか無かった。こちらの悪魔の契約の方が、まだマシだった。そういった選択に思えて仕方ない。

