kotti "少女" 2026年9月2日

kotti
@kotti_witchii
2026年9月2日
少女
少女
湊かなえ
過去に読んだはずなのに、驚くほど何も覚えていなかった。結末はいかにもイヤミス。 「人が死ぬところを見たい」という不謹慎な願望から老人ホームや病院に近づき、実際にそういった場面を目の前にすれば耐えられない。他人の悪意によって人生をねじ曲げられた人に出会ったはずなのに、友人から聞く同じような話はどこか他人事。 自分が人からされた嫌なことはいつまでも覚えているのに、自分の行動が誰かの人生に与える影響や、その結果の重さには目を向けない。 読み終えたとき、彼女たちに対して「え、なんで?」という気持ち、憤りや悔しさ、失望のようなものが残った。 なぜなのか考えてみて、ひとつ、自分の価値観に気づいた。 私は、「人は何かを経験したら、それを自分の中に持ち帰るものだ」と思っている。 人間、悪いことをしてしまったり、誰かを傷つけたりすることはある。それでも、その経験から自分自身に問い返し、自分の行動や考え方を見つめ直す。別に心の底から改心して聖人にならなくてもいい。ただ、何も持ち帰らず、何もなかったように通り過ぎてほしくない。 そして私は、それができることを「成熟」、できないことを「未熟」と捉えているらしい。だから、彼女たちの未熟さや浅はかさも含めて『少女』というタイトルなのかもしれない、と読んだ。 自分が人間に何を期待し、何を「成熟」と考えているのかに辿り着いた。そんな読書になった。
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