
みどり
@midori-read
2026年9月3日
タタール人の砂漠
ディーノ・ブッツァーティ,
脇功
読み終わった
森見登美彦と万城目学が面白いと言った本、という時点で絶対に読まなければと思っていた。私にとっての本を読むよろこびが詰まったような一冊だった。
学校を卒業したばかりの主人公が勤務を命じられたのはとある辺境の地に孤立する砦。敵がくることもなく、恋の楽しみもない閉鎖的な砦で、すぐに帰れると言われ数ヶ月を過ごすうちに段々と砦での生活に「慣れて」いく。その頃にはもう、街に戻りたいという気持ちもなくなり…。
砦の中の話だけれど、人間の人生ってこういうものだよなと妙に身につまされる。自分の未来にある時間を無限のように感じ、時間が過ぎ去っていき二度と戻らないことに最期まで気づけない。何かこの先の人生に自分を輝かせる出来事が起こるのではないかと夢想し、現実を知る。人間の一生を体感した読書体験だった。





