
滋味
@jimicked
2026年9月3日
檸檬のころ
豊島ミホ
読み終わった
田舎の高校を舞台に、そこに通う高校生たちの恋愛や進路、人間関係を描いた連作短編集です。
青春というと「甘酸っぱい」という言葉で表現されることが多いですが、この作品を読んで強く感じたのは、それだけではない「苦味」でした。
登場人物たちは、それぞれに言葉にしにくいモヤモヤや鬱屈した思いを抱えています。恋愛や将来への不安、嫉妬や劣等感など、高校生だったからこそ必要以上に悩んでしまったこと。それらがきれいに解決されるのではなく、どこか割り切れない感情として残るところに、この作品らしさを感じました。
檸檬には甘酸っぱさだけでなく、皮や白い部分には苦味もあります。この連作短編集から私が感じたのは、まさにそんな高校時代の「苦味」でした。
読み終えてみると、『檸檬のころ』というタイトルがとてもよく似合う作品だったと思います。