
紫香楽
@sgrk
2026年9月2日
イン・ザ・メガチャーチ
朝井リョウ
読み終わった
おもしろかった!
澄香と隅川の居場所が物語を通して入れ替わる(澄香はリベラル系からサバ番アイドルにハマり視野が狭く、隅川は俳優オタクから陰謀論集団に出会い視野が広く)けど、本質的にはどちらの場所も物語に支配されており、どちらも視野が狭いことは同じという構造がよかった。
「資本主義社会において物語に呑まれて搾取される」という例として澄香と隅川の話を展開させていながら、「人間はすぐ自分の思う物語に囚われる」という全人類に共通する普遍的な「物語」についての失敗例として武藤の軸があるのも面白い。
武藤の話は「自分は絶対にそんなことはない」とは誰も言えない例なのではないかと思う。
自分の思う物語に囚われる現象については田房永子さんの膜理論の話も思い出した。
たくさん元ネタのある話が出てきて、同じようなインターネットを見ているのを感じた。
特に現代の日本のSNSでのリベラル系の同調圧力の強さが描かれてるのが(エンタメ小説としては)珍しい気がした。
根本的なところとして一番の問題は、(気を逸らすものが世の中に溢れすぎていて)「本当に大切なものや問題そのものに向き合えない」ことなんじゃないかと思った。
