りなっこ "三月は深き紅の淵を" 2026年9月3日

りなっこ
りなっこ
@rinakko
2026年9月3日
三月は深き紅の淵を
再々読。本への愛溢れる本にまつわる話の、大好きな一冊だ。 この四部作の小説には、合わせ鏡のように内と外で呼応していく絡繰りがある(『三月は深き紅の淵を』は、其々の話で意味合いは違うけれど幻の本のことである)。「待っている人々」に出てくる内側のキーワード“柘榴”が、外側では“小泉八雲”に相当するのも凝っている。とりわけ好きなのは、編集者同士ならではの会話に引き込まれる「出雲夜想曲」と、美しい二人の少女が狂おしく“血”の淵に落ちていく「虹と雲と鳥と」。 そして小説家が一人称で語る「回転木馬」では、内側と外側の『三月は深き…』を同時に包みこむ構想が練られつつ、長篇『黒と茶の幻想』へも繋がっていく奥行きに溜息が出る。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved