
yu
@meeea01
2025年3月27日

信仰
村田沙耶香
読み終わった
信仰という名の酒に酔いながら、
正気では生きられぬこの夜を越えていく。
その信仰が幻想でも、命をつなぐ灯になってくれるなら、それでいいと思う。
真理か否かよりも、それに酔えるかどうかこそが、生を維持する鍵なのかね?
他人から見れば滑稽でも、本人には必要なぬくもりなんだろうな。
その一杯のおかげで、ようやく現実の重力に耐えられる人もいる。
理性だけでは立てない朝がある。
酔いから覚めるというのは死の宣告に近いのか。
もしかして
「死」とは単なる終わりではなく、
「意味のない朝」の名をして訪れるのかもしれない。
信仰は、生に再び意味を与えてくれる。
p16「皆が笑うとほっとして、自分がここにいていい時間がすこし延長されたような気持ちになる。」
p31「そりゃ、ミキが正しいのかもしれないよ。でも、それがなおさら嫌なの。『現実』って、もっと夢みたいなものも含んでるんじゃないかな。夢とか、幻想とか、そういうものに払うお金がまったくなくなったら、人生の楽しみがまったくなくなっちゃうじゃない?」
p40「私はその目をうっとりと輝かせている人たちを、ずっと「現実」へと勧誘していた。」
