信仰

57件の記録
- eye@ulala_2025年5月17日読み終わった短編それぞれが面白かったけど、1編目の「信仰」はのっけから強烈だった。 現実を突き詰めても、天動説を信じても、浄水器の勧誘も、ちょっと高いネイルや美容エステも、誰かにとっては真実だし、誰かにとってはカルトになる。その人がいる地点で見方が変わる曖昧なもの。正しいものなんてひとつもないんだ。 ひとつ言えるのは、行き過ぎるのは良くない。何かにどんなにハマっても、周りが少しは見える自分でいなきゃね。 ということをいちいち考えながら、自分を振り返りながら、読んだ。面白かった。
- 蔭山@kie_doors2025年5月16日読み始めた帯文にある「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」と言った男のゴミ野郎ぶり、「好きな言葉は「原価いくら?」」の主人公の想像以上のクレイジーぶり、伏兵の同級生の化けっぷり、鼻の穴の美白という創造、すんごい濃密な50ページ。
- 空色栞@reads_2025032025年5月11日読み終わった「気持ちよさという罪」グサグサと胸に刺さる。 「生存」この世界なら自分はDだけどそれはそれで。 「世界99」を読む前に短いものを読もうと思ったのだけど、意外に重かったのでまた別の短編を読もうかな。
- Suzuki@finto__2025年4月11日読み終わった★★★☆☆ 「それが暇えばいいという気持ちはずっとある。けれど、私は、「多様性」という言葉をまだ口にしたことがほとんどない。たぶん、その言葉の本当の意味を自分はわかっていないと感じているからだと思う。その言葉を使って、気持ちよくなるのが怖いのだと思う。私はとても愚かなので、そういう、なんとなく良さそうで気持ちがいいものに、すぐに呑み込まれてしまう。だから、「自分にとって気持ちがいい多様性」が怖い。「自分にとって気持ちが悪い多様性」が何なのか、ちゃんと自分の中で克明に言語化されて辿り着くまで、その言葉を使って快楽に浸るのが怖い。そして、自分にとって都合が悪く、絶望的に気持ちが悪い「多様性」のこともきちんと考えられるようになるまで、その言葉を使う権利は自分にはない、とどこかで思ってい。」p112
- 木村久佳@kuCCakimura2025年4月7日読み終わった週末に「教皇選挙」を観てきました。すごいですね…。パンフレットは映画の後に読むことをおすすめします。北村紗衣さんの映画評がおもしろいです。
- yu@meeea012025年3月27日読み終わった信仰という名の酒に酔いながら、 正気では生きられぬこの夜を越えていく。 その信仰が幻想でも、命をつなぐ灯になってくれるなら、それでいいと思う。 真理か否かよりも、それに酔えるかどうかこそが、生を維持する鍵なのかね? 他人から見れば滑稽でも、本人には必要なぬくもりなんだろうな。 その一杯のおかげで、ようやく現実の重力に耐えられる人もいる。 理性だけでは立てない朝がある。 酔いから覚めるというのは死の宣告に近いのか。 もしかして 「死」とは単なる終わりではなく、 「意味のない朝」の名をして訪れるのかもしれない。 信仰は、生に再び意味を与えてくれる。 p16「皆が笑うとほっとして、自分がここにいていい時間がすこし延長されたような気持ちになる。」 p31「そりゃ、ミキが正しいのかもしれないよ。でも、それがなおさら嫌なの。『現実』って、もっと夢みたいなものも含んでるんじゃないかな。夢とか、幻想とか、そういうものに払うお金がまったくなくなったら、人生の楽しみがまったくなくなっちゃうじゃない?」 p40「私はその目をうっとりと輝かせている人たちを、ずっと「現実」へと勧誘していた。」
- amy@note_15812025年3月15日かつて読んだ感想何かを”信じること”についての小説とエッセイを8篇収録した本。村田さんの小説らしく “正常”と“異常”の境界がぼやけてしまう危うさ。この危うさが蔓延っているのが現実なのだという容赦のなさを突きつけてくる 自分のなかにある価値観や信念を捉えきれないまま、世間でいうところの”正しさ”に思考停止で乗っかってしまうことは、時には誰かをたやすく排除し自分がどう生きたいのかすら見失う どの作品も好きだけれど村田さんのエッセイ「気持ちよさという罪」が個人的には一番好き ”多様性”が内包する意味や現状、歴史をよくわからないままに”多様性”という言葉を使っているだけで、自分は自動的に正しい側の人間になれる。実際のマイノリティ属性の人たちが直面していることへの解像度が浅いまま、この言葉を使う気持ちよさに流されてしまっていて、”なんちゃって多様性尊重”をしてしまっている人が存在するし、私もそういう一面があるかもしれないことを噛みしめる内容だった こういう雑な多様性解釈への批判をしたかったのが朝井リョウの「正欲」なんだろうけど、そちらはあまり上手くいっていないようだった
- 夏しい子@natusiiko2025年3月7日かつて読んだ村田沙耶香さんの変わった世界全開の短編集。 『彼らの惑星へ帰っていくこと』はコンビニ人間にも通じるものだった。 『書かなかった小説』は文學界で読んだ時に、もっと読みたいと思っていたので今回ここで加筆されていて良かった。
- ひなこ@hnk9272025年1月12日読み終わった@ twililight トワイライライト村田さんの話はヒヤヒヤヒリヒリして、もうこの辺で許してくれ、と思いながら読んでいる。なんとも滑稽ではないか?というシニカルな目線が怖い