信仰

83件の記録
- yt@yt2025年7月30日読み終わったSF的な思考実験と見せかけて、ほぼ現実を描いているところが巧妙だ。 現代のちょっとした違和感が増幅される8短篇。 「始まりはカルトだって、それで世界中の人が救われたら、それは真実になるわ」(p40 「信仰」) 「受験戦争がそのまま生存戦争になる現代」(p67 「生存」) そして唐突に差し込まれる「気持ちよさという罪」 「私は、そのことをずっと恥じている」(p117) 同じ時代を生きてずっと描き続けてほしい。 たぶん描き続けてくれる。
- さいだー@madonosoto2025年7月29日読み終わった借りてきた一見他者を思っての「よかれ」が受け手にとっては考えの押し付けに聞こえる場面が生きていてよくある。共通する思考を信仰し、そして布教することで自分は正しい考えであると安心したいのかもしれない。あるいはマジョリティに属する確認行動かもしれない。それが度を過ぎればまさに“カルト”となり有るのだろう。『信仰』を読むことでそんな「よかれ」を痛感した。
- 成功者の味方は怠慢な他人@No_Read_No_Life2025年7月21日読み終わった借りてきたコンビニ人間に続いて今月2作目の村田沙耶香作品。この人が書く物語の奇妙さとそこからくる社会における常識とは何かという疑問が新しい世界を見せてくれていい言い表せない様な快感がある。 自身の経験を元にした多様性に対する村田さんの考えも読み応えがあった。 1200円
- 💯@dang03ky0da12025年6月24日読み終わったぶっ飛んだ設定に見えても、本当はどこかで起こっていることなんじゃないか、本当は私の身にも起こりうることなんじゃないかと思ってしまう おもしろい
- ヒ@HikariKomiyama2025年6月23日読み終わった図書館本現代の作品をもっと読もうと思って借りてみたら、ウウ、おもしろかった 最後のふたつ以外、わかる、なんかいろいろわかる…て感じがした(何もわかっていない人の感想)でも、全然知らない話ではなかった
- 蛍@bcgcco2025年5月22日読み終わった人が何かを信じること自体は素晴らしいことなんだけど、危うさを孕んでしまう怖さもたしかにあるなと思った。その信仰がマジョリティ側から見て異様に映ると悪なのか、じゃあマジョリティ側の見解は行き過ぎても善とされるのか?みたいな多方面から見た信仰が表現されていて考えさせられた、よくあんな発想思いつくなあ。 最後自身の怒りに触れてパレスチナ問題にも言及されていたけど、あれも何を信じるのかの話だよな、という信仰の持つ思いの強さ、怖さを感じずにはいられなかった。
- eye@ulala_2025年5月17日読み終わった短編それぞれが面白かったけど、1編目の「信仰」はのっけから強烈だった。 現実を突き詰めても、天動説を信じても、浄水器の勧誘も、ちょっと高いネイルや美容エステも、誰かにとっては真実だし、誰かにとってはカルトになる。その人がいる地点で見方が変わる曖昧なもの。正しいものなんてひとつもないんだ。 ひとつ言えるのは、行き過ぎるのは良くない。何かにどんなにハマっても、周りが少しは見える自分でいなきゃね。 ということをいちいち考えながら、自分を振り返りながら、読んだ。面白かった。
- 蔭山@kie_doors2025年5月16日読み始めた帯文にある「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」と言った男のゴミ野郎ぶり、「好きな言葉は「原価いくら?」」の主人公の想像以上のクレイジーぶり、伏兵の同級生の化けっぷり、鼻の穴の美白という創造、すんごい濃密な50ページ。
- 空色栞@reads_2025032025年5月11日読み終わった「気持ちよさという罪」グサグサと胸に刺さる。 「生存」この世界なら自分はDだけどそれはそれで。 「世界99」を読む前に短いものを読もうと思ったのだけど、意外に重かったのでまた別の短編を読もうかな。
- 木村久佳@kuCCakimura2025年4月7日読み終わった週末に「教皇選挙」を観てきました。すごいですね…。パンフレットは映画の後に読むことをおすすめします。北村紗衣さんの映画評がおもしろいです。
- yu@meeea012025年3月27日読み終わった信仰という名の酒に酔いながら、 正気では生きられぬこの夜を越えていく。 その信仰が幻想でも、命をつなぐ灯になってくれるなら、それでいいと思う。 真理か否かよりも、それに酔えるかどうかこそが、生を維持する鍵なのかね? 他人から見れば滑稽でも、本人には必要なぬくもりなんだろうな。 その一杯のおかげで、ようやく現実の重力に耐えられる人もいる。 理性だけでは立てない朝がある。 酔いから覚めるというのは死の宣告に近いのか。 もしかして 「死」とは単なる終わりではなく、 「意味のない朝」の名をして訪れるのかもしれない。 信仰は、生に再び意味を与えてくれる。 p16「皆が笑うとほっとして、自分がここにいていい時間がすこし延長されたような気持ちになる。」 p31「そりゃ、ミキが正しいのかもしれないよ。でも、それがなおさら嫌なの。『現実』って、もっと夢みたいなものも含んでるんじゃないかな。夢とか、幻想とか、そういうものに払うお金がまったくなくなったら、人生の楽しみがまったくなくなっちゃうじゃない?」 p40「私はその目をうっとりと輝かせている人たちを、ずっと「現実」へと勧誘していた。」
- amy@note_15812025年3月15日かつて読んだ感想何かを”信じること”についての小説とエッセイを8篇収録した本。村田さんの小説らしく “正常”と“異常”の境界がぼやけてしまう危うさ。この危うさが蔓延っているのが現実なのだという容赦のなさを突きつけてくる 自分のなかにある価値観や信念を捉えきれないまま、世間でいうところの”正しさ”に思考停止で乗っかってしまうことは、時には誰かをたやすく排除し自分がどう生きたいのかすら見失う どの作品も好きだけれど村田さんのエッセイ「気持ちよさという罪」が個人的には一番好き ”多様性”が内包する意味や現状、歴史をよくわからないままに”多様性”という言葉を使っているだけで、自分は自動的に正しい側の人間になれる。実際のマイノリティ属性の人たちが直面していることへの解像度が浅いまま、この言葉を使う気持ちよさに流されてしまっていて、”なんちゃって多様性尊重”をしてしまっている人が存在するし、私もそういう一面があるかもしれないことを噛みしめる内容だった こういう雑な多様性解釈への批判をしたかったのが朝井リョウの「正欲」なんだろうけど、そちらはあまり上手くいっていないようだった
- 夏しい子@natusiiko2025年3月7日かつて読んだ村田沙耶香さんの変わった世界全開の短編集。 『彼らの惑星へ帰っていくこと』はコンビニ人間にも通じるものだった。 『書かなかった小説』は文學界で読んだ時に、もっと読みたいと思っていたので今回ここで加筆されていて良かった。
- ひなこ@hnk9272025年1月12日読み終わった@ twililight トワイライライト村田さんの話はヒヤヒヤヒリヒリして、もうこの辺で許してくれ、と思いながら読んでいる。なんとも滑稽ではないか?というシニカルな目線が怖い
- Yukinoue@screamoon2024年8月29日どれも設定が、こうきたか〜!となるような、でも、今わたしが生きてる世界とゆるやかな地続きになってるような世界がひろがっている。 その人がそのまま、何も取り繕わなくても、認められて、愛が愛として伝わり、愛を愛として受け止められる、それがどうしてこんなに難しいのか、上手くできないような気がするのか、がなんとなく分かりそうな感じがする。 どの短編集もそれぞれの形で均一に、なんか良かったな、が残った。信仰は、痒いところに届いた、ような感じや、ぎょっとするようなところが良かったし、生存は、これまるで現代のようだったし、カルチャーショックはまるで映画を見てるかのよう、得体の知れない感じが良かったし、書かなかった小説はクローンと人間がいれかわっている様子や面白いとこわいが入れ混じったりしたし、最後の展覧会はなんだか美して上手くできてるなぁと思った。でも選ぶとしたら、土脉潤起かな。野生と人工がどことなく対比されながらも、私たちは動物なんだ、とおもう。姉は野生になるんじゃなくて、かえったんだ。なんともいえない気持ちになったのがよかった。土とか自然の匂いがしそうな小説がすき。ぽう。