
紫嶋
@09sjm
2026年9月4日
読み終わった
借りてきた
アセクシュアル・アロマンティックを自認する著者によるエッセイ。
アセクシュアルとは何か・アロマンティックとは何かについて、一般的な説明だけでなく著者自身の実体験や率直な想いが添えられている分、より「ちゃんと人の形をした概念」として感じ取れるのではないだろうか。
ただ、入門書というよりはかなり個人体験に寄ったエッセイではあるので、そこは念頭に置いて読むべきとは思う。
現代社会においてはさながら異分子のように扱われるアセクシュアル・アロマンティックだが、その視線から見た現代社会は、異様なまでに恋愛中心・恋愛至上主義であり、そして恋愛と性愛がほぼイコールとしてセットになった歪な社会だ。
それらが当然とみなされ、異論を唱えても黙殺されるか曲解される。恋愛と結びつかない幸福や愛情はランクの低いものとして軽んじられる。恋愛に興味がない、性愛を抱かないことを人間性の欠落のように語られる。恋愛や性愛がなくとも充分満たされていたとしても、満たされていない人間のレッテルを貼られる。
私もまた、アセクシュアル・アロマンティックを自認している人間である。それゆえに、著者の語る様々な内容も、共感したり覚えがあったりすることが多かった。
恋愛と性愛が人間の幸福の頂点であるかのようなこの社会では、まるで生きづらさを強要されているように感じる。
「そんなマイノリティだなんて、さぞかし生きづらかろう(むしろ生きづらいと言え)」という圧力。
そんなことないのだけど。放っておいてもらえれば、そして恋愛や性愛を強制しないでもらえれば、あとはこっちはこっちで勝手に別の形で幸せに生きていくのにな。