
ユメ
@yume_bookworm
2026年8月16日
余命一週間の探偵として
ホリー・ジャクソン,
服部京子
読み終わった
感想
『自由研究には向かない殺人』三部作に与えられた衝撃が忘れがたいホリー・ジャクソンの書く、「自分を殺した犯人を捜す」ミステリだなんて、読まないわけにはいかなかった。
主人公のジェットはハロウィーンの夜に何者かに後頭部を殴打され、余命一週間と診断される。残された一週間で、彼女は自分を「殺した」犯人を見つけ出してみせると誓う——この設定の妙に、心底感嘆させられる。
かなり無茶な行動もしながら推理を続けるジェットにハラハラさせられ、親友ビリーとの名コンビぶりには『自由研究には向かない殺人』のピップとラヴィが想い起こされて、ちょっぴり切なくもなった。
ジェットの症状が日に日に悪化し、死を恐れるようになってゆく描写には胸が痛んだ。ジェットがビリーと共にすごした一週間を楽しかったと言い、実際その日々がきらめいているからこそ、忍び寄る死の影もいっそう濃く感じられる。
ジェットが最期に愛を見つけられたことは本当によかったと思うものの、その発見が余命宣告以外のものによってもたらされたならどれほどよかったかと胸が張り裂けそうになった。
遺されたビリーの心境を想うとなお辛くなる。彼にはどうか歌い続けていってほしい。
それにしても、ホリー・ジャクソンのミステリはストーリー展開が実に巧みで、分厚い文庫本を読み終えるのが一瞬のことのように感じる。

