ちゃのき "夜をゆく舟が他にもあることを..." 2026年9月5日

ちゃのき
ちゃのき
@chanoki
2026年9月5日
夜をゆく舟が他にもあることを教えるために歌はひかった
木下龍也氏の短歌投稿コーナーの書籍化。好きな短歌の本ってだいたいまずタイトルでわかる。一目でパッとわかる短歌が好きだけど、一つ一つの選評を読むと短歌の背景に思いを馳せたり意図を読み取ろうとするのって素敵だと思える。なぜこの語のチョイスでないとダメだったのか、他の言葉じゃ代えにならないのか掘り下げていたりするのが好き。「おそろいが欲しくて本なら許してくれる気がして贈った文庫/シラソ」「なぜ僕は生きているのか 明日から芦田愛菜さん2号になります/おけい」の選評が好きだった。 木下氏自身の短歌は性愛の短歌が多かった。短歌ってかなり個人的なケースが多いから、基本的に性の短歌を詠まれるとキショ…と思うことがあるのだが、木下氏は性愛の短歌を作る際に直接的な言葉は使わず上品さや切なさを意識しているとのこと。行為によって起こる心の問題にフォーカスしているようなかんじでとびきりロマンチックで逆に最も好きな題材だ、と思えた。どれも少しぼやけて色褪せたカメラを通したみたいなエモさのある歌で好き。これが生々しい具体描写だったら私はキショがっていたに違いない。
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