
本屋lighthouse
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2026年9月5日
カラー版 名画を見る眼1
高階秀爾
読み終わった
今日われわれは、当時の展覧会で好評であった彼の「完成作」よりも、水彩のスケッチや未発表の習作の方にいっそうの魅力を感じる。だが、もしそうなら、ターナー自身も同じことを感じたはずである。彼は、できるなら、自分にとって大切なそのようなスケッチや習作を公けに発表したかったに違いない。しかし、当時の基準ら言えば、それらはあくまでも「未完成」のスケッチや習作であって、そのまま展覧会に出品することはできない。少なくともロイヤル・アカデミーの展覧会場に陳列するためには、どこかでそれを「完成」させなければならない。つまり彼は、展覧会のために心ならずも作品を「完成」させたのであり、このためにできるだけその完成を先に延ばそうとしたのである。(p188)








