ほんね。 "最後の医者は海を望んで君と生..." 2026年9月6日

最後の医者は海を望んで君と生きる
シリーズ1作目の初読がどうやら6年前らしい。 本作は割と発売当初に買った覚えがあるので長いこと積んでいたみたい。最新刊を読むために1作目からまた読み直し。 医療もの、ましてや生き方や人の尊厳に関するものを題材とした本は今の時代ごまんとある。 ただ…なんだろうなぁ、このシリーズの好きなところはそういうんじゃなくて。何をしてでも絶対に患者を救う(生命を持続させる)、諦めない医者と、治療をしても完治が見込めない者には以降の時間の使い道を提示する、いわゆる緩和治療を薦める医者。 対極に位置する医者と患者(+病)を中心に展開された前2作に比べると、本作はもう一歩先の、「残された側の人生」に対するアプローチがされているように感じた。シリーズを通して、患った当事者とその関係者、そして大切な人がいなくなったその先まできちんと描かれていくのは良かった。残された者には生きる限りその先の人生があるからね。 時薬、とはいうけれど、何年、何十年経とうがダメなものはダメだし、それはやっぱり当事者にしか分からないもの。そのことを本作で改めて突きつけられた気がした。 個人的にはシリーズ1作目1章の慟哭が本当に辛いし、やっぱり何度読んでもそこが1番印象的。 自分にとって大切な人が…とか考えるのは簡単だけど、実際にその立場に置かれないと分からないわけで。6年越しに出た (まさか続編が出るとも思ってなかった)新刊だったけど良かった。医療ものの小説の中でも読みやすいし分かりやすいので結構好き。
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