
音叉
@on_sa
2026年9月6日
わたしは孤独な星のように
池澤春菜
読み終わった
audible
著者の池澤春菜さんは出版区の本ツイに出ていたのがきっかけで知り、声優の仕事をしながら本も書いてるのか〜と興味本位で開いたのがきっかけだった。
こちらはAIや地球温暖化など、現代の社会問題も多く落とし込まれているSF作品。『糸は赤い、糸は白い』では、人間がきのこの菌を脳に植え付けることで、他者とマイコパシー(言語なしでの意思疎通)が出来るようになり、辛さなどの感情を共有できるようになった世界を描いていて面白い。「この友情や恋愛は永遠に続くに違いない」とか「ウチら何があっても一生一緒」と屈託なく思えてしまう、思春期あるある。
『あるいは脂肪でいっぱいの宇宙』は、コメディ色満載のダイエットギャグSF。かと思えば後編で地球外生命体との邂逅まで果たす。なんだか聞いたことある題名だと思ったが、SF作家のアヴラム・デイヴィッドスンの『あるいは牡蠣でいっぱいの海(旧邦題)』、もしくは筒井康隆の『あるいは酒でいっぱいの海』をオマージュした題名のようだ。多分前者の方かな?
表題作の『わたしは孤独な星のように』の、叔母が死んでしまった後の旅の中で、突然波が押し寄せたように「もう会えない、もう会えない」と叔母の死を理解してしまうシーンは、自分が祖母を亡くした時とぴったりリンクしてしまい少し泣いた。
叔母が主人公にしたお願い(弔い)を主人公自身が成し遂げることで、折り合いをつけていく過程を描いている。全体的に好きな作風だったが、時々何が面白いのかわからない独特なギャグが入ってくるのだけ苦手だった。
