りなっこ "麦の海に沈む果実" 2026年9月6日

りなっこ
りなっこ
@rinakko
2026年9月6日
麦の海に沈む果実
麦の海に沈む果実
恩田陸,
笠井潔
再々…読。偏愛本。どっぷり浸る。第一章の冒頭で、主人公の理瀬が『鏡の国のアリス』を手に取る場面はあらためて暗示的だ。なんとなれば彼女がこれから転入する全寮制の学園は、絶対的な采配を執るクイーン(或いはキング)の統べる“三月の国”である。気の進まないお茶会や白薔薇の香るフランス式庭園は、『不思議の国のアリス』へのオマージュかも知れない。 陸の孤島として鎖された“三月の国”での理瀬は、本当に鏡を通り抜けてきたかの如く、いつも不安そうにおどおどしている不可解な二面性を持つ美少女であり、学園における彼女の存在も実はミステリーである。 話は不穏さを増していくけれど、黎二や麗子や憂理たちの危うさに私は魅かれてやまない。夢見がちで鬱々として儚げな理瀬も好きだった。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved