
やん
@grilledyangyang
2023年2月27日
ヒトごろし(下)
京極夏彦
読み終わった
かつて読んだ
また読みたい
『ヒトごろし』読み終わった!!歳三、勝太好きすぎかよ!!カーーーーッ(天を仰ぐ絵文字)
最終章の疾走感がとにかくすげぇ気持ち良い。過去と現在が重なり、走馬灯が騎馬突撃してくるような勢いで駆け巡る。歳三の人生に最後まで付き合ってきて、本当に良かったよ。
そして、燦然と輝く山崎。
山崎「つまりこの、土方副長の――犬や」
土方「俺はな、てめえなんかを喜ばせるために何かするつもりはねえぞ」
山崎「そんなん知ってますわ。逆や。わてが土方はんを喜ばせるゆう話やないですな」
別に――嬉しくはない。
ハァァァなんなんお前らァァ
バディ的な要素はさておき、土方の世相の視点がとてもクレバー。
世の中は勝手にどんどん変わるだけ。世の中のうねりは、人が変えることはできない。世の中を動かすというのは、そのうねりに合わせた仕組みを作ることなのである。
たしかに時代の波っていうものはあって、人の意志だけでは制御出来ない大きな流れはある。
上巻では、土方は「合法的に人を殺す仕組み」のためだけに新選組を組織する。情が理解できず感情が揺れない、喋らない鉄のような印象の男だった。
しかし戦争が始まり、戦争という化け物が人を殺し、戦争が人を「ヒトごろし」へ変えていく。その現実を前にして、情緒が震度8くらいに揺れてめっちゃ喋りだすのが面白い。
戦時下、武士やらアンシャンレジームに囚われたボンクラ共が死にたがる中、人外を自称する「ヒトごろし」だけが、皮肉にも現実を見据えて真っ当なこと言っている、そんな戦争の非日常と現実感の交錯が伝わってくる。
そして、土方の本懐、各章の終わり方を最後まで引っ張った上で、これ以上ない程しっかり畳んでくれた。凄惨な人生なんだけども、不思議なほどスッキリ呑み込める物語だった。
表紙もカッコ良!!士官服、最高かよ。
上巻782ページ、下巻802ページ、安定の京極夏彦だけど、驚くほどスラスラ読める。一気に駆け抜けるほど、めっちゃ面白かった!!