いとをかし "瓶詰の地獄 (角川文庫)" 2026年9月2日

瓶詰の地獄 (角川文庫)
暗く澱んだ感情を的確に表現してイメージさせてくる文章が本当に秀逸。言葉のピースを的確に嵌め込んで、名付けたく無い・認めたく無い感情を表出させ、気付いた時には深い沼に沈んでいるみたいな読書体験が唯一無二で好ましい。人物に特別細かい設定がないにも関わらず、その行動や心理には、どこか他人事でないものがある。人間誰しも根底にあるやもしれない欲望。そこに自然とのめり込ませるからこそ、読者という立場を離脱し、眼前の事実のような感覚で作品世界に触れられている気がする。
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