句読点 "さみしい夜にはペンを持て" 2026年9月7日

さみしい夜にはペンを持て
「とても良かった。いい本だった。本を読むこと、書くことに苦手意識がある人、読書感想文が苦手だった人、何か書いてみたい人、特に中高生におすすめしたい本。」 ↑書くことについていろいろ学べたはずなのに、いざ本の感想を書こうとするとこのようなありきたりな言葉ばかり並べてしまう。とても難しい。何を書けばいいんだろう? 「きっとこんな感じかな。たとえばなにかの本を読んで、読書感想文を書くとする。タコジローくんはその本にすごく感動した。主人公の気持ちが、まるで自分のことのように感じられた。本を持つ手が、ぶるぶる震えるくらいだった。なのに、実際に読書感想文を書いてみると、自分の思いとぜんぜん違う文章になっていく。書けば書くほど、自分の気持ちから離れていく。けっきょく読んでいたときの感動を、半分も書くことができない」(p.77) というヤドカリのおじさんがいう通りのことが起きている。 しかしそれは文章が下手だからなのではなく、「答えを決めるのが早すぎる、ことばを決めるのが早すぎる」のが原因なのだという。 手っ取り早く「良かった」「感動した」などの便利なことばで、沸き起こっていたはずのさまざまな感情を片付けてしまうことで、もっと適切なことばがあるはずなのに、それを探す面倒くささから逃げてしまっているからだという。 そしてそれを続けてしまうことは、たんに作文が上手にならないだけの問題ではなくて、日常生活のいろんな場面でトラブルを呼び込んでしまう原因になるという。自分自身に対しても、対人関係に対しても、「コスパのいい」言葉を使うことで、自分の気持ちを言葉で説明するコストを省き続けることで、対話の道が閉ざされてしまう。 そうすると、生きていく上での最大の謎「自分」という存在について考える道が閉ざされてしまう。 ではどうすればいいか。 日記を書くことだという。心の中に広がる「自分」というダンジョンを冒険することが日記を書くことだという。「日記を書く」という意識ではなく、「ペンを鍵に日記という秘密の扉を開いて「自分」というダンジョンのなかを冒険してみる」という意識で。 まずは10日間、日記を書いてみることから。 「夜になったらノートを開く」という小さな約束から始めてみる。 「メモはことばの貯金」で、夜になったら日記の中で好きなだけ散財する。 などの具体的なアドバイスがたくさん。 吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』を読んだときの感動とも似ている。 学校でいじめられているタコジローが学校に行けなくてたまたまたどり着いた公園で不思議なヤドカリのおじさんと出会い、日記を書くことを通して精神的に立ち直っていく物語。
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