Haruhito "ダブル・ジョーカー" 2026年8月31日

ダブル・ジョーカー
今作においても、D機関に出し抜かれる側の視点で描くことによって、常勝スタイルのご都合感を抑制している。 個人的に面白かったのは『仏印作戦』で、スパイじゃない者がスパイになる型の話なのだが、ウォルフガング・ロッツの『スパイのためのハンドブック』にでてくるスパイテクニックを用いて、三流スパイを仕立てているのが良かった。有名な本で明らかにされているテクニックを、よもや一流スパイであるD機関の者に使わせるわけにはいかないし、一流スパイと対比させたスパイごっこの様子がコミカルだった。 『ブラックバード』はスパイものの醍醐味のような一編で、見事な構成力だった。
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